■ 大阪(大阪城、心斎橋、通天閣、住吉大社)、京都(祇園、東山、先斗町)
- 大阪・京都の夏の旅 -
今回は会社の仲間達と大阪・京都へ観光に出掛けた。若い頃、3年ほど大阪に勤務していたことがあるので土地勘はあるけれど、観光で街を回ったことはない。そしてカメラを持って街と向き合ったこともないので、今回は大阪を撮るほぼ初めての機会になった。(写真は京都の八坂の塔)
- 大阪城 -
どうせ観光なら、こてこての観光コースを回ろうと、まず訪れたのは大阪城。仕事では何度も大阪城近くまで来たことがあって、道は覚えていたけれど、堀の内側に入った記憶はない。これも観光と言えるのだろうか??
- 戎橋(引っかけ橋)からのグリコ -
谷町線と鶴見緑地線を乗り継いで、心斎橋から道頓堀までブラブラ。アーケードの店は他の大都市とかわり映えぜず、むしろ昔のほうが地域色が強かった。しかし道頓堀に抜け戎橋のから眺めるグリコの電飾を見ると、「ああ、大阪なんだなぁ」と思う。
- くいだおれ太郎 -
戎橋を渡って左に曲がり、道頓堀の繁華街を歩いていると、大阪名物「くいだおれ人形」を発見。持ち主のレストランの廃業で、一時期この場所から消えていたけれど、復活していた。そして本名は「くいだおれ太郎」と言うらしい。
- 日本一 大たこ -
こちらも大阪名物、たこ焼き屋の「日本一大たこ」。大阪と言えば「こなもん(粉物)」、粉物と言えば「たこ焼き」。たこ焼きと言えばこの店、と言う程の超有名店。しかし大阪市との土地占有権問題で色々とモメているとのニュースが新聞を賑わしている。
- 新世界 -
道頓堀で昼食のお好み焼きを楽しんだ後、御堂筋線で動物園前に移動。次の目的地は住吉大社なので、通天閣を眺めながら阪堺電車の恵美須町停車場を目指す。動物園前駅前の雰囲気は、新宿の思い出横丁に似ている。視線をさえぎるガードは、この先に続く昭和の世界への入り口のように見えた。
- 新世界 -
昔懐かしい雰囲気のアーケードを行く。アーケードは商店街なイメージだが、串かつ屋と将棋クラブのオンパレード。この界隈は「ジャンジャン横丁」と呼ばれていて、昔は三味線をジャンジャン鳴らして客を惹いた盛り場。だから普通の商店街とは違う歴史を歩み、この独特の雰囲気になったのだろう。
- ジャンジャン横丁 -
最近テレビの大阪街角アンケートでよく見かける「日本一の串かつ横綱」。通天閣ついでにひと目見たかった。見たからなんだ、という店でもないけれど、テレビに映っている街角を見つけると、なんとなくうれしい。
- 通天閣 -
串かつ横綱の角を曲がると、町の軒と街灯の向こう側に通天閣が聳えている。新大阪より梅田より堂島より淀屋橋より心斎橋より、これぞ「大阪っ!」と言わんばかりの街の雰囲気と活気の間から眺める通天閣を見ると、まだまだ下町も生きているなと思う。
- 阪堺電車(住吉鳥居前) -
とりあえず通天閣は後回しにして、恵美須町停車場から阪堺電車に乗って住吉大社を目指す。阪堺電車は大阪に唯一残された路面電車。東京で言えば都営荒川線と同じように、昔ながらの下町を走り抜ける。
- 阪堺電車の車窓から -
大阪の下町をガタンゴトンと市電に揺られて窓の外を眺めれば、昭和の懐かしさを帯びた町並みが見える。市電の車両は昭和30年代の製造。降車ブザーはベルの音。「チン」と鳴って電車が止まれば、買い物かごを下げたおばちゃんが乗ってくる。子供のころの暖かい街の夕暮れを思い出した。
- 住吉大社 -
電車に揺られて20分ほどで、住吉鳥居前の駅に着いた。住吉大社は、年末年始の番組で、大阪の風景として必ずと言ってよいほど登場する有名な神社。折りしも今日は住吉大社の夏祭り。浴衣を着た人や子供達が大勢集まっていた。住吉大社を訪ねたのは「おもかる石」に願いをこめるためである。
- おもかる石 -
おもかる石は、願いを念じて持ち上げると、願いが叶うならその石が軽く持ち上がる、と言われている。「宝くじ三億当選」と願い、石を持ち上げると、ものすごく軽い。ならば「給料アップ(♪)」「恋愛成就(^^ゞ」「宇宙征服(爆!)」などとあらゆる欲望を願ったところ、みるみる石は軽くなる。まもなく3億円が当たり、宇宙の支配者になれる・・・(汗)
- 住吉大社の夏祭り -
住吉大社のパワースポットを回り、太鼓橋から境内を眺めると、夏祭りの夕暮れの涼しげな光景が広がっていた。水面に映る屋台の明かりと、夏色の浴衣。この国の美しさのひとつ。日本の大都市にも、まだまだこういう風景が残っているのだな。
- 住吉大社の夏祭り -
焼とり、いか焼の提灯が魅力的。暑い夕方に生ビールを片手に、いか焼きをもう一方の手に縁日を歩けば、こんなに幸せなことはない。けれど、この後控えている串かつパーティーのために、ここでのビールはしばし我慢。
- 住吉大社の夏祭り -
これも昔懐かしいお化け屋敷。巨大遊園地の恐怖を計算しつくした、ハイテクお化け屋敷が幅を利かせる中で、この手の商いでがんばっている人がいるのだな、と少し穢れた目で見てしまった。
- 新世界市場 -
再び阪堺電車で恵美須町へ。通天閣に戻る途中、「新世界商店街」というアーケードを見つけた。これも昭和を想起させる風景。入り口の肉屋は昔ながらの佇まいを残し、時々客が店先を訪ねていた。
- 新世界市場 -
しかし一歩アーケードの中に入ると、そこは灯の点らぬ店が延々と続くシャッター商店街だった。土曜日の夕方だから店を閉めているのか。どうもそうでもないようだ。やはりここも他の商店街同様、平成の風に荒んでしまったのだろうか。
- 通天閣から大阪の中心街を望む -
私が大阪に住んでいた90年代前半、色々なところで高層ビル建設が進んでいた。中心街にも大きなビルが見る見る増えてゆき、その足元で「昭和」が日に日に消えていった。それは地域性をも失わせてゆく時代の流れに見える。
- 通天閣 -
関東大震災が江戸を東京に転換させ、大戦の空襲により東京が町から都市へと変貌した。そして高度成長が東京から下町を駆逐し、草の根に残っていた人情をバブルが消し去った。昭和の雰囲気で観光化しているこの界隈も、そのうち全てがフェイクに塗り替えられてしまうような気がしてならない。
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京都 四条界隈 花見小路 -
二日目は京都へ。宿泊した淀屋橋から京阪特急で1時間弱。四条からまずは祇園、八坂神社を目指す。途中、花見小路で警備員が立っていて、カメラマンがたむろしている。見れば、舞妓さんの行事の日だったようで、着飾った御姐さん団体が歩いていた。
数年前に来たときは舞妓さんに会えなかったので、この偶然はちょっとうれしかった。
- 京都 四条界隈 花見小路 -
気温はおそらく30度を裕に超えている。しっかりとした化粧に黒い礼装、そして重いかつらをかぶりながら、汗ひとつ流さず、凛とした眼差しに上品な笑みをうかべながら、日本の伝統美が古の町並みを歩いてゆく。
- 京都 四条界隈 -
祇園の繁華街近くのカフェ。都の奥様方がタンブラーで冷たいフラペチーノを飲みながら、おしゃべりを楽しんでいる。その横で愛犬はぐったりと。お前さんも熱中症に気をつけろよ。
- 八坂神社 -
四条通を突き当たると、東山の麓の緑の森に赤い鳥居が見えてくる。八坂神社の緑の森は、その木陰とそよぐ風で、都のうだる暑さを少しだけやわらげてくれた。木々の緑が涼しげに見えるほど、この日の都は暑かった。
- 八坂神社 能舞台の寸景 -
日差しを避けて境内を散策しつつ、清水寺を目指す。観光バスから降り立った同輩達も、降り注ぐ日差しの中をタオル片手に町を行く。
- 八坂神社 能舞台の寸景 -
祇園とかかれた提灯を一枚。なぜかわからないけれど、提灯を見ると写真を撮ってしまう(笑)。
- ねねの道 -
いつまでも涼んでいるだけでは、八坂神社だけで京都の一日が終わってしまう。日差しを覚悟して清水寺へ続くねねの道を歩く。
- ねねの道 -
老いも若きも、東洋人も西洋人も、石畳の照り返しに目を細めながら、夏の京都を歩く。何しろ暑い。日陰を探しながら歩いても、流れ出る汗が引くことはない。
- 八坂の塔界隈 -
京都に来ると毎回訪ねる八坂の塔。今の時間は光の加減が悪いので、八坂の塔ではなくて、坂の下を見下ろす。人力車のお兄さんは汗を流しながら仕事をしている。ガテン系観光産業の若者よ、がんばれ!
- ねねの道 甘味どころ -
ガテン系ではなく、軟弱系の勤め人の我々は、この暑さに耐え切れず道半ばで暑さから逃れるシェルターへ避難した。涼しげな緑と風情のある日傘を、エアコンの効いた室内から見る、最高の贅沢。
- ねねの道 甘味どころ -
カキ氷なんて普段は絶対に注文しないのに、今日はこれが最高の贅沢、抹茶シロップ&抹茶アイス。甘さの中に広がる高貴な苦味、そして脳髄を突き上げる冷たさとその痛み。熱気で朦朧とした意識が一気に現世に舞い戻る。
- ねねの道 -
再び歩き出し、町並みを楽しむ。桔梗の花の美しいうす紫色が、目からの冷気を感じさせる。この後、三年坂を登って清水に参拝し、茶碗坂を下って東山の観光を終えた。
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いつもの景色、八坂の塔 -
私が一番好きな京都の景色。坂下から見上げる八坂の塔。
昨年の11月に来たばかりなのに、また撮ってしまいました。
- 先斗町 -
新宿に「先斗入る(ぽんといる)」というパスタ店がある。先斗町の角を曲がったとき、その店の名を思い出した。まさに「先斗入る」である。あの店と違って、この界隈の店の価格帯は少々お高め。今回は見るだけにして、そそくさと退散。
- 鴨川の川べり -
京都の夏の風物詩、川床が並ぶ鴨川の河川敷。鴨川の川面を渡る風に吹かれながら、品の良いお料理と、気の利いた日本酒で一杯やりながら、薄暮の時間を楽しみたいな。などと思いながら、四条の駅前から京都駅行きのバスに乗って、都旅の夏を終えた。