■ 愛媛県松山市 / 松山城、道後温泉
- 松山城から松山市駅方面を望む -
2010年が明けて間もない1月6日。年始早々の出張で四国は愛媛松山を訪れた。仕事は順調に進み、夕方に少し時間ができたので、市街地に近い松山城に出掛けた。松山城は小高い丘の上に建っている。愛媛県庁の裏の上り口から、少しきつい坂道を登り、天守閣を目指す。展望台からの市街を望むと、天使の梯子が瀬戸内の海を照らしていた。
- 松山城天守閣 -
かなりきつい坂道を20分を登ると、松山城天守閣に到着した。県庁裏の道には人影はなく、マイナーな観光地かと思った。でも、天守閣のすぐ下にある広場には、リフトが通っていて、簡単に山頂に登ることができたようだ。年始早々の平日なのに、けっこうな数の観光客が繰り出していた。出張ついでにスーツと革靴で登ってきた自分はナンだったのか・・・(汗)
- 松山市街を走る市電 -
松山市街にはまだ市電が走っている。地図で見る限り、市街地の中を移動するには市電が一番便利なようだ。始発から終点まで乗っても150円均一、バスと似た後精算なので、観光客にもわかりやすい。
翌朝、飛行機までの時間があったので、市電に乗って道後温泉まで足を伸ばすことにした。
- 市電 道後温泉駅 -
松江の町は、昨年から始まったNHKのスペシャルドラマ「坂の上の雲」の登場人物の出身地であり、夏目漱石の「坊つちゃん」の舞台である。だから市電の道後温泉駅の駅舎は、レトロモダンな明治時代の洋館を模したつくりになっている。朝も早いせいか、駅前は人もまばらで、商店街はまだ店開きをしていない。
- 坊つちゃん列車 -
駅前広場には、市電の線路の引込み線があり、そこには古い蒸気機関車を模した、「坊っちゃん列車」が飾られていた。あとでわかったことだが、これは実際に乗車することができる市電で、観光列車として毎日運行されているとのこと。
- 道後温泉駅前の足湯 -
駅前広場には足湯があり、誰でも無料で浸かることができる。ほかの温泉地で足湯に出会うと、観光客が順番待ちをしていることが多いけれど、朝一番の足湯では地元のサラリーマンと近所のおっちゃんが朝風呂を楽しんでいた。
- 道後温泉本館 -
駅前から温泉街までは商店街の立派なアーケード街が続く。アーケードを抜けたところに、道後温泉本館の建物が見えてくる。道後温泉本館は、明治中期に建てられたこの地のシンボル的な建物で、立ち寄り湯として営業している。
- 道後温泉本館 -
重厚で立派な和風建築の建物は、古きよき温泉宿の姿を今の世に残している。現代風の巨大な温泉宿やホテルの立ち並ぶ中にあっても、大きな存在感で温泉街の中心に鎮座する。また建物三階の楼閣は振鷺閣 (しんろかく)と呼ばれ、屋根には立派な白鷺が止まっている。
- 道後温泉本館 -
もし時間があれば、ここで一風呂浴びて、三階の客間の窓に腰掛けて、ビールを一杯くぃっ!といきたいところだ。
- 坊つちゃん広場 -
道後温泉で忘れてならない、夏目漱石の坊つちゃん。道後温泉本館前には、しっかりと坊つちゃん広場なるスペースが用意されており、坊っちゃん、山嵐をはじめ、赤シャツ、狸、野だいこ、うらなり、マドンナと、登場人物が顔をそろえている。
- 湯神社 -
道後温泉は日本最古の温泉と伝えられている。近くには立派な神社や、聖徳太子にゆかりのある碑などの史跡がたくさんある。今回は一番近くにある「湯神社」まで歩いてみた。
- 道後温泉駅 -
出張のついでのそぞろ歩き。東京に帰る飛行機までそれほど時間はないので、そろそろ空港に向かうことにする。荷物をここまで持ってきていれば、このまま空港までリムジンバスに乗ることができた。けれど荷物を松山駅のコインロッカーに預けてきてしまったので、もう一度市電に乗って町に帰る。
- 道後温泉駅 坊っちゃん列車 -
ホームに入ると、先ほどの坊っちゃん列車がちょうど出発するところだった。ちょっと乗ってみようかと思った。でもこの列車に乗るためには市電料金に300円プラスしなければならないらしい。この手のものは乗るよりも、眺めたほうが楽しいので・・・と今回の乗車はパス。
- 道後温泉駅 市電 旧車両 -
坊っちゃん列車はあきらめたけれど、この市電の車両もなかなか趣がある。今の時代、木製の床などめったにお目にかかれない。乗車した瞬間に鼻につく濃厚な機械油のにおい。子供の頃に出掛けた山里で乗ったボンネットバスを思い出した。
- 松山市 市電の車内 -
デジタル時代の今、これだけアナログな乗り物は珍しい。松山の市電でも新しい車両は、ものすごく現代的なデザインでシャープな印象を受けた。けれど、こういう電車に乗っていると、旅に出たなぁという気分を楽しむことができる。
- 松山市 市電の車内 -
出張の合間の短い時間。ちょっとだけ松山の町を歩いて、楽しい時間を過ごすことができた。朝日に光る松山城を背に、この町を離れる。
- 飛行機の窓から -
帰りの飛行機、運よく左の窓際の席となり、松山から東京までの間、始終太平洋岸の海辺の景色を楽しむことができた。紀伊半島上空では、四国から伊豆までを一望できた。日本は狭いなぁと思うと同時に、地図と同じ景色に雄大さを覚えた。写真は大島上空からの伊豆半島と駿河湾と富士山。遠くには南アルプスの稜線が白い雪を背負っている様子まで見える。
- おまけ -
愛媛名物 じゃこ天のあぶり焼き。松山駅前の居酒屋にて。
- おまけ -
愛媛名物 じゃこ天のあぶり焼き。松山駅前の居酒屋にて。