■ 京都市伏見区 龍馬ゆかりの地・寺田屋、酒蔵の町並み
- 寺田屋 -
京都へは何度も出かけているけれど、伏見の町を歩いたことはなかった。今日は運河と酒蔵の町、そして歴史遺産の寺田屋を訪ねてみることにしよう。
- 寺田屋 龍馬像 -
伏見桃山の駅を降りて、活気に満ちたアーケード街を抜けると、酒蔵の町並みが続く。少し懐かしい町、中書島駅近くに寺田屋は建っている。寺田屋の横は小さな公園になっていて、龍馬の銅像が建物を見守る。
- 寺田屋 -
多少の改築はしているだろうけれど、その建物は今でも幕末の姿をとどめている。
- 寺田屋 -
今でも宿泊できるというけれど、建物の中は博物館のようになっていた。一階の広間では、宿の方が寺田屋の由緒や、龍馬にかかわるいろいろな説明をしてくれた。見学客の中には「龍馬先生」と言っている人もいる。龍馬ファンにとっては、ここは一大聖地なのだ。
- 寺田屋 弾痕・・・ -
説明を聞き終えて、2階の客室に上がる。昔ながらの旅籠の様子が状態よく保存されている。構造は古いながら、一応エアコンがあったり、可能な範囲で近代化している。なるほど、これなら今でも宿泊できそうだ。
- 寺田屋 刀痕・・・ -
各部屋の柱には、龍馬襲撃テロの際にできた弾痕や刀痕が今でも残っていて、自由に触ることができる。触ることができるゆえ、それが果たして弾痕なのかわからなくなっているし、刀痕にいたっては、ほとんど残っていない。この建物が保護されて博物館ではないことを如実にあらわしている。
- 寺田屋 -
寺田屋にはいくつか階段があって、奥まった階段は、龍馬の妻のおりょうさんが、寺田屋事件の際に緊急避難するときに通ったとのこと。歴史にこだわりのない私には、イマイチ実感がなかったけれど、私の前に見学していた人たちは、「おお〜〜っ」っと歓声を上げていた。
- 寺田屋 -
寺田屋のメインプレイスである、龍馬宿泊の部屋を見学して、一通りコースが終わる。龍馬や幕末の人たちが見た町並みとはかなり変わっているだろうけれど、窓から見る景色は、ホテルからの景色とは違う趣がある。古い旅籠の姿を残した宿に泊まるのもよいだろう。
- 寺田屋 -
寺田屋の横の公園には、小さな社が祀られている。どこで買った絵馬だろうか、ちょっと覗いてみると、出世がらみのお願いが多い。東大合格や大河ドラマ出演など、私にはちょっと縁がない話が目立った。でも何を勘違いしたか、恋愛成就や健康祈願も。この社は何の神様が祀られているのだろうか?
- 伏見運河 -
寺田屋を出ると、すぐ目の前に伏見運河が流れている。この運河は、江戸時代までは都と大阪を結ぶ大動脈として機能していて、十石舟、三十石舟といった貨物船が頻繁に行き来していた。伏見は運河の中継地の港町として発展した町だ。
- 伏見運河 酒蔵 -
運河には今でも観光用の十石舟が運行されている。乗り場に行ってみたが、どうにも動く気配がないので、運河沿いを散策することにした。さわやかな風に揺れる柳の枝の下、酒蔵の並ぶ様子を見ながら歩くと、今まで知っていた京都とは違う風情を感じる。
- 黄桜酒蔵 -
時間があまりないので、とりあえず何件か酒蔵を覗いてみよう。まずは黄桜酒蔵。河童のマークの黄桜はあまりにも有名である。
- 月桂冠酒蔵 -
そして月桂冠酒蔵。酒蔵トップブランドの月桂冠は、さすがに設備や展示が行き届いている。軒につるされた酒林はまだ去年のものだろう。この杉玉ももうすぐ新しくしつらえられるだろう。・・・そういえば月桂冠は通年で醸造しているはず。酒林はどうするのだろう?
- 伏見運河 -
思いつきで町を訪ねると、どこに何があるかわからない。今回はこの町の見所を見尽くしたとはいえないような気がする。次に訪ねる機会に恵まれたら、酒蔵を絨毯爆撃したいなと思いながら、運河の橋の上から青空を眺めた。