■ 栃木県日光市 世界遺産「日光東照宮」
- 日光山法輪寺 -
折角のシルバーウィーク。どこへも出かけないのはもったいないので、近場の日光に出かけた。近場といっても、快速で3時間以上。高速なら仙台まで行ける時間だ。でも高速料金の割引のために、遠方はものすごく混雑している。だから近場のぶらり旅に出かけてみた。
電車で気ままな途中下車の旅、と行きたいけれど、ホームワークが不足気味なので、目的地までの直行直帰である。
- 日光山法輪寺三仏堂(金堂) -
日光の山に登ると、まず最初に「日光山法輪寺」の金堂が眼前に広がる。巨大な赤い金堂が青空に美しい。法輪寺は家康が信奉した阿弥陀如来を本尊とする古い寺。その寺に眠るために、家康はここに東照宮を置くように遺言した。本来はこの寺こそが日光の中心といっても過言ではない。
寺にまつわるいろいろな話を案内係の方が話をしてくれた。法輪寺には「阿弥陀如来」「千手観音」「馬頭観音」の三尊が奉られているので、この寺の金堂は三仏堂と呼ばれているとのこと。この三仏は母、父、子供をあらわす家族の仏。この寺を大切にしたから、徳川家は代々続いたとのこと。
- 日光東照宮 五重塔 -
案内図に従って境内を進むと、ようやく日光東照宮に入る。まずは真っ赤な五重塔。手前の苔むした灯篭に歴史の深さを感じる。
- 日光東照宮 参道にて -
こういう参堂や寺の門前を通るたびに、寺も神社も必ずといってよいほど同じ場所に建っている。神仏習合という言葉や、八百万の神という信仰の形態があるけれど、きっとキリスト教徒、イスラム教、ユダヤ教などを信仰する外国人には理解できないのことなのだろうなと思う。
- 日光東照宮 この紋所が・・・ -
陽明門に続く参堂の鳥居には、泣く子も黙る三葉葵の徳川家家紋がしっかりと象られている。「この紋所が目に入らぬか〜」というやつのオリジナルだと思うと、なんとなくありがたく思えてくる。
- 日光東照宮 陽明門 -
青空の下、多くの観光客とともに土塔のような人波にもまれて、陽明門をくぐる。実は、関東圏なら多少空いているだろうと思ってやって来たのだけれど、何かひとつ見るたびに何分も並ぶ状態。これだけの好天、関東でも観光地は人の波で埋め尽くされていた。
- 日光東照宮 陽明門 -
陽明門の細工はため息が出るくらい細かく沢山「盛り付け」られている。京都や奈良、中国などでいろいろな寺社仏閣、歴史的建造物を見てきたけれど、その中でもかなり豪華な部類に入ると思う。数百年前の芸術・技術の粋を集めて建造されえたのだろう。
- 日光東照宮 眠り猫と雀 -
家康の墓所は、別料金での参拝となる。そして入り口の門には有名な眠り猫の彫刻。これを彫った左甚五郎、うとうと眠る猫と、うららかな陽気に咲ボタンの花で「日光」を表現し、家康の安らかな冥福を祈ったのだろう。
眠り猫はもっと大きなものだと思ったけれど、ものすごく小さな作品で少々驚いた。
- 日光東照宮 眠り猫と雀 -
何百段かの石段の奥に家康の墓がある。少々息切れをしながら、山道を往復して門まで戻ってくると、眠り猫の裏側に雀が彫られている。すやすや眠る猫の上を雀が安心して飛んでいることも、表現の一つなのだろう。
- 日光東照宮 三猿 -
三猿がどこにあるか探していたら、本殿ではなく、厩舎の上に据え付けられていた。そして猿は三匹だけかと思ったら、あと何匹も彫られていた。とはいえ、この三匹が一番まとまっている。ほかの猿にも由来があるのだろうか。今度調べてみよう。
- 日光東照宮 陽明門 -
今日一日で何度か陽明門をくぐったけれど、どこか見覚えがあるような気がする。実家の静岡にある久能山東照宮はもう少し小さいが、同じ東照宮だけあって、面影(?)を感じる。そして家の近所の静岡浅間神社の建物にも似ているように思う。
久能も浅間さんもあって当たり前としか思っていなかったけれど、今思い出してみると、実はすごく歴史的な建物だったのだと改めて感じる。日光へのぶらり旅は、思わぬ懐古で終わった。