Sweet Heaven Photograph & Words.
竹富の夕日は暮れる
2015.09.06
2015.09.06 / 雲の桟橋 / 沖縄県八重山諸島竹富島西桟橋 / Canon EOS 5Ds / EF24-105mm F4L USM
2015年9月、少し遅い夏休みに沖縄県の竹富島を訪ねた。竹富町は日本の最西端と最南端を擁する最果ての町。東京から石垣島まで空路数時間、そして石垣島から高速船で15分。朝一番に家を出て、到着したのは夕方の4時過ぎ。上陸してすぐに島の西端にある西桟橋を目指した。風の強い9月の海は、深い雲に覆われていた。これでは楽しみにしていた夕日が見られないかも知れない。南の島の明るさとは裏腹に、少し重たい気持ちになり、一度宿へ戻ることにした。
2015.09.06 / 海は黄金色に輝く / 沖縄県八重山諸島竹富島西桟橋 / Canon EOS 5Ds / EF24-105mm F4L USM
この日の石垣島近辺の日の入りは6時50分頃。6時の夕食を急いで済ませて、再び西桟橋へ走る。見上げる南の空は、少し赤みを帯びていた。夕日は見られないまでも夕焼け空ぐらいは見たい。夕暮れから夜は、南の島に泊まる醍醐味のひとつ。淡い期待を抱きながら桟橋へと続く林を抜けると、そこに広がる海は金色に染まり、輝く夕日が西表の島影を映し出していた。
2015.09.06 / magic hour / 沖縄県八重山諸島竹富島西桟橋 / Canon EOS 5Ds / EF24-105mm F4L USM
刻々と暮れ行く空を眺めながら、島の時間を感じる。いつもの暮らしの中では、夕日をずっと眺めることなどないだろう。ビルに囲まれた日常では、大きく傾いた斜陽など人の目に入らない。ここでは空が金色に染まり、そして夜に暮れてゆく時間を身体全体で感じられる。はるか海原から色が消える頃、夜の星が輝き始めた。
2015.09.06 / 遠雷 / 沖縄県八重山諸島竹富島西桟橋 / Canon EOS 5Ds / EF35mm F1.4L USM
夜、宿の庭から空を見上げると、少しだけ星が見えた。と同時に何かが一瞬だけ光る。灯台の回転灯かと思ったが、周期性がない。気になってもう一度浜に出ると、西表島の方向で雷光が光っていた。一瞬の光が海上の積乱雲を映し出す。すぐ近くの西表島にこれだけ強い雲が張り出していながら、竹富島の上空は少しずつ雲が抜けてゆく。雷と星空の競演など、なかなか見られるものではない。
2015.09.06 / 薄雲の銀河 / 沖縄県八重山諸島竹富島西屋敷集落 / Canon EOS 5Ds / EF35mm F1.4L USM
時々光る雷鳴を余所に、レンズを天頂に向ける。肉眼では銀河の中心がうっすらと見える程度だが、高感度に設定して30秒間シャッターを開くと、少しだけ天の川が姿を現した。同宿の人が言う「昨日の夜は一番キレイだったよ」。少し悔しい気分だったけれど、この曇りの天気で、天の川を見られただけでも幸運だと思うことにしよう。
島の夜明け
2015.09.07
2015.09.07 / 夜明けのシーサー / 沖縄県八重山諸島竹富島西屋敷集落 / Canon EOS 5Ds / EF24-105mm F4L USM
旅先の枕では眠りが浅くなる。朝4時過ぎ、何かの物音で目覚めてしまった。どうにも二度寝ができない。離島ではファストフードなどで早めの朝食、と言うことはできないので、8時の朝食まで近くを散歩した。6時過ぎの日の出までまだ時間は長い。それでも5時半を過ぎると少しだけ空が白み始め、珊瑚の道と南国の赤瓦が見えるようになった。
2015.09.07 / 島の塔から / 沖縄県八重山諸島竹富島なごみの塔 / Canon EOS 5Ds / EF24-105mm F4L USM
竹富島は平坦な島で高台と呼べるような山はない。そこで住民達は、なごみの塔という10mくらいの塔を立てて、島を一望できるようにした。日の出前、その塔に登り東の空を眺める。あいにくの曇り空で、海原いっぱいのあけぼのではないが、オレンジから赤、紫、青、濃紺の空のグラデーションが広がり、沖縄風の住居の屋根を照らし始めていた。
2015.09.07 / 牛飼いの朝 / 沖縄県八重山諸島竹富島西屋敷集落 / Canon EOS 5Ds / EF24-105mm F4L USM
塔を降りて集落を歩いていると、牛飼いの人と水牛が2頭、歩いてきた。竹富島の名物は水牛で回る散策ツアー。島の観光会社が牛を飼育して、牛車を仕立てている。集落はずれの牛舎から、牛車乗り場まで水牛が出勤しているところなのだろう。一声かけて何枚か撮影させてもらった。
2015.09.07 / 軒先の猫 / 沖縄県八重山諸島竹富島西屋敷集落 / Canon EOS 5Ds / EF24-105mm F4L USM
朝6時。日の出が遅いとはいえ、そろそろ朝が始まる時間だ。民宿の明かりが灯り始め、おそらく台所からだろう、朝の支度をする声が聞こえてくる。この日の始まりを察してか、白ブチニャンが一匹、民宿の台所の軒先に座っている。近づいても逃げないところを見ると、この子は飼い猫かもしれない。私をチラ見してからも何食わぬ顔で何かを待っている様子だった。
2015.09.07 / 朝が来た / 沖縄県八重山諸島竹富島西屋敷集落 / Canon EOS 5Ds / EF24-105mm F4L USM
6時少し過ぎた頃、一気に空が明るくなってきた。きっと太陽は既に水平線ギリギリまで近づいているはずだ。通りでは年配の住民が掃除をしている。島の一日が静かに始まった。
少しだけ素もぐり
2015.09.07
2015.09.07 / 竹富島沖の珊瑚礁 / 沖縄県八重山諸島竹富島沖 / OLYMPUS STYLUS TG-850 Tough / 7.34-18.7mm F3.5-5.7
夏休みに遠くへ出かけるようになって、もう何度目の夏だろうか。これまでは、基本的にカメラと機材で汗まみれになる旅をしていた。けれど今回はじめて「アソビ」の要素を取り入れた。そのひとつ目がシュノーケリング、いわゆる素潜りである。武富の港から数分、石垣島との間の珊瑚礁がある。台風のせいか少し風が強い。潮風を全身で受けて、モーターボートで海を行く。
2015.09.07 / 竹富島沖の珊瑚礁 / 沖縄県八重山諸島竹富島沖 / OLYMPUS STYLUS TG-850 Tough / 7.34-18.7mm F3.5-5.7
ライフジャケットと足ヒレ、水中眼鏡。そしてシュノーケル。素人向けのツアーなので浅い海に浮かんで、砂底に根付いた珊瑚を覗き込むだけ。でも初めて体験するシュノーケリングは別世界への入り口になった。人が泳いでいても逃げることのない多くの魚。それらが全て熱帯魚のような色形をしている。中には図鑑の中でしか見たことのない魚もいる。浦島太郎を書いた人は、海底が極彩色の世界だと知っていたのだろうか。決して本州では見られないようなまさに龍宮城のような色彩の世界が広がっていた。
2015.09.07 / 竹富島沖の珊瑚礁 / 沖縄県八重山諸島竹富島沖 / OLYMPUS STYLUS TG-850 Tough / 7.34-18.7mm F3.5-5.7
少し慣れてくると、大きな魚を探して追いかけることもできるようになる。とはいえ、小魚が多い初心者向けのポイントなので、大きな魚にはなかなか出会えない。叶うものならクマノミを見てみたかった。
2015.09.07 / 竹富島沖の珊瑚礁 / 沖縄県八重山諸島竹富島沖 / OLYMPUS STYLUS TG-850 Tough / 7.34-18.7mm F3.5-5.7
ツアーはだいたい2時間。結局最初から最後まで、休憩することもなく海に浮かんだまま、あっと言う間の2時間。この人生でもう一度こんな海に潜ることができるだろうか。青い海を脱ぎ捨てて、再び陸地に帰る。